コラム食堂店主が思ふこと

コラム食堂店主が思ふこと

食堂のご飯

店主のつぶやき

世の中には、美味しいご飯があふれている。

その中で、お客さまは何を食堂に
求めてきてくれているのかな?

そんな事をよく考える。

私の作るご飯は、おうちのご飯に近いと思う。
でも、おうちでのご飯とは全然違うとも思う。

以前お客様から

お家でご飯を食べている安心感
みたいなものに包まれて、
丁寧に作られたご飯をいただけて
嬉しかったです。

とメッセージをいただいた。

伝えたい事が伝わった感じがして
すごく嬉しかった。

私が小さい頃、外食は特別なものだった。

お家では絶対食べられない味を外に求めて行く、
イベントっぽいワクワク感があった。

最近では外食とお家の味の差が、
良くも悪くも縮まっているような気がする。

手に入りにくかった調味料や食材も
わりと手に入るようになってきているし
知識や道具などの進化により、なんか頑張れば
お店の味に近づけられるようになった。

冷凍の技術も年々進化していて、
名店の味っていうのも簡単に手に入る。

スーパーの売り場に行くと、需要が多いのか
かなりのスペースで◯◯の素も並んでいる。

へたすりゃ、自分で作るより美味しいとかで、
材料買ったり、作ったりする手間を考えると
そういうのをチョイスする人が多いのも頷ける。

情報や商品の流通と同時に、お家ならでは
っていうものが少なくなってきているのかも。

「家の味」というのは、
そろそろ死語になりつつあるのかもしれない。

そんな中で、地味だけど、
コスパもいいかわからないけど

丁寧に作られたご飯。

お家でご飯を食べる感じの雰囲気とか、
季節を感じられたり、安心する味。

言葉に出すと安っぽく感じるけど、
結局のところ、ハレでもケでもない
日常のひとコマのご飯を私は作ろうとしている。

食堂のご飯を食べたら、
そのあと何食べたか忘れちゃって、

その後の日常を、その人がやりたい様に
存分に過ごし、また次の日を迎える。

食堂のご飯の存在はそんな感じだと思っています。

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