コラム食堂店主が思ふこと

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外食について

店主のつぶやき

日々、食の仕事をしていると
時代の流れとか流行りとか
いろいろなものが見えてくる。

外食について、自分なりの
気づきみたいなものも生まれる。

外食のあり方・考え方みたいなものが
時代を経て変わってきた、
そんな気がしているのだ。

そしてこの先 数年で
外食に対しての意識が
もっとあからさまに、
ガラリと変わっていくと思う。

私の子供の頃は、家族で週末に
外食するのが楽しみだった。

そのころは外食は特別で

たまの贅沢とか
普段は食べられないものを食べる

みたいな、そんな存在だった。

その頃とは違って、今の外食は
すごく日常的だし
特別な時には
本当に特別なものを選べる

外食の幅が大きく広がって、
混在している状態になった。

今では忙しい仕事の合間に、とか
友達との食事や仕事の打合せ、とか

外食が身近にあり、気軽に行ける。
目的もジャンルも価格帯も多種多様。

ほとんど外食で暮らしている人もいるほど。

それに伴い、

コスパで勝負する店や食べ放題から
丁寧に作り素材にこだわって
料理を提供するお店まで、さまざま。

食べる人も、作り手も
「外食」とひと言で言っても
認識が噛み合わないんじゃないか、と思う。

自分自身も、食べ物のことや
溢れるほどの飲食店情報に
意識を振り回されることが多い。

最近では家で作って食べるご飯が
貴重な感じになったりして、
私の子供の頃とは
外食に対しての印象が逆転している。

いろいろな目的を持つようになった外食。

これからの時代、目的の一つとして
「健康のために」も強くなりそう。

今は飽食の時代。
様々な事情の家庭があるとは思うけど
日本にいる多くの一般家庭では、
毎食、何かしら食べるものがある状態。

フードロスを無くそうという取り組みも
社会の常識になってきている。

個人の食卓から、外食産業から、
大規模農業から、色々な所から
沢山捨てられている現状も
もう、みんな知っている。

普段の私たちの暮らしの食事や外食は
健康と密接な関係がある。

日常的にできる外食は
飲食店の側からしてみると、
普段の食事より食べたという印象や
美味しいと思わせる必要がある。
又は、あった。のだと思う。

味は濃いめでわかりやすく、
甘さや油分は「美味しい」に
つながるから、ちょっと多めに。

私の子供の頃のように外食が特別で、
たまのご飯だったなら
そのままのあり方でも
良かったのかもしれない。

でも今は日常的に外食ができる。

味濃いめ・砂糖多め・油多めの
食事ばかり毎日食べていたら??

それに、普段、家で作るご飯も、
外食と変わらないクオリティで
できてしまうようになった。
そうなるとやっぱり、家でも
味濃いめ・砂糖多め・油多め
になってしまいがちになるのでは?

そして、量も沢山食べられる。
捨てるほど食べられる世の中。

当然、満足度は高めだけど
コレステロールとか血糖値とか……
本当に、多くの病気が
食生活からきていると思う。

暮らしや社会が豊かになるのと同時に
塩分・糖分・油を沢山取り入れて
豊かさを感じていたということ。

人は食べているものでできている。

よく聞く言葉だし、
みんな頭ではわかっている。

だけど普段の食事に対して、
選んでいるようで、実はあまりにも
うっかり取りすぎていることに
気づいてないんじゃないかと思う。

生活習慣病みたいな名前の病になる前に、
一人ひとりがこのトラップに気づいて

本当に美味しくて、豊かで
健康につながる食事はなんだと考え
そういう食事を選ぶ。

そういう観点で外食を選ぶ時代に
入って来ているのではないかと考えている。

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